快適な住まいを実現するために、住宅の性能を正しく理解することは非常に重要です。
特に、新築住宅を検討する際には、さまざまな数値を比較検討する必要がありますが、その中でもUA値、C値、Q値は、住まいの快適性や省エネルギー性能を左右する重要な指標です。
これらの数値を理解することで、理想の住まいづくりに近づくことができます。
そこでこの記事では、UA値、C値、Q値の定義、違い、そして住宅性能への影響について解説します。
UA値を理解する
UA値の定義とは
UA値とは「外皮平均熱貫流率」のことです。
これは、住宅内部と外部の温度差が1℃ある時に、建物の外皮(屋根、外壁、床、窓など)を通して外部に逃げる熱量の合計を外皮面積で割った数値です。
UA値が小さいほど、熱が逃げにくく、断熱性能が高いことを意味します。
UA値の算出方法
UA値は、「UA値=建物の熱損失量の合計÷延べ外皮面積」という計算式で求められます。
換気による熱損失は考慮されていません。
UA値と省エネ基準
2021年からは、300平方メートル未満の新築住宅において、建築士が建築主に対して、国が地域ごとに定めた基準のUA値を満たしているか説明する事が義務付けられました。
また、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)やHEAT20といった省エネ住宅の基準でも、UA値が重要な指標として用いられています。
ZEH、HEAT20では、それぞれH28省エネ基準よりも厳しいUA値基準が設定されています。
UA値が住宅性能に与える影響
UA値が小さいほど、暖房時の熱損失が少なくなり、暖房費の節約につながります。
冬場の寒さ対策だけでなく、夏場の冷房効率向上にも寄与し、年間を通して快適な室温を保ちやすくなります。
また、結露の発生を抑制し、カビや腐朽を防ぐ効果も期待できます。

C値Q値と住宅性能の関係とは
C値の定義と算出方法
C値とは「相当隙間面積」で、住宅全体の隙間を表す数値です。
C値は「C値=住宅全体の隙間面積÷延べ床面積」で算出され、値が小さいほど隙間が少なく、気密性が高いことを示します。
Q値の定義と算出方法
Q値は「熱損失係数」で、住宅全体の熱の逃げやすさを表す数値です。
Q値は「Q値=(各部の熱損失量の合計+換気による熱損失量の合計)÷延べ床面積」で算出され、値が小さいほど熱が逃げにくく、断熱性能が高いことを意味します。
2013年の省エネ基準改正により、UA値に置き換えられつつありますが、一部メーカーではまだ使用されています。
C値Q値とUA値の違い
UA値は外皮を介した熱の損失のみを考慮しますが、Q値はそれに加えて換気による熱損失も考慮します。
また、UA値は延べ外皮面積、Q値は延べ床面積で割って算出されます。
C値Q値が住宅性能に与える影響
C値が小さい気密性の高い住宅は、UA値と同様に暖冷房効率を高め、省エネルギーに貢献します。
また、室内の空気を清潔に保つ効果もあります。
Q値も同様に、断熱性能が高いほど、快適で省エネルギーな住宅となります。

まとめ
UA値、C値、Q値は、それぞれ住宅の断熱性能や気密性能を示す重要な指標です。
UA値は省エネ基準やZEH、HEAT20といった省エネ住宅の基準においても重要な役割を果たしており、新築住宅を検討する際には、これらの数値を理解し、比較検討することが大切です。
UA値が小さいほど断熱性能が高く、C値が小さいほど気密性が高いことを示します。
Q値はUA値と同様に断熱性能を示しますが、換気による熱損失も考慮している点が異なります。
これらの数値を理解することで、快適で省エネルギーな理想の住宅を実現できるでしょう。
地域ごとの基準値も考慮し、最適な住宅性能を目指しましょう。
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